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●「電気予報」よりも放射能予報を

 天気予報をもじって「電気予報」というのを夕方と朝にテレビニュースで流している。九州電力は電力供給量に対して需要が80数%で「今日は安定しているでしょう」と予報しそれをNHKがそのまま流している。これが毎日毎日続いている。
 九電は発電量の40%を原発に依存していたがすべて停止したので電力は切迫して大変だ5%の節電をと去年から叫びつづけていた。しかしふたをあければ電力はじゅうぶん足りていることが誰の目にも明らかになっている。朝日新聞ですら、「九電供給力想定上回る、『電力不足』の根拠薄れる」と取り上げざるを得なくなっている。
 こうした電気予報を流しても私たちの実生活にはほとんど影響がない。むしろ「原発がないと大変なことになる」という事実とは関係のないムード的な危機感だけが頭に残っていく。
 こんな「電気予報」の報道よりも実際の生活にとって緊急で必要とされているのはまだまだ続く放射能の汚染状態の正確な報道である。
 たとえば福島を中心にして昨年10月11月にはほどんど見られなかったセシウムが年末から1平方メートルあたり200ベクレルという異常に高くなっていることはほとんど報道されていない。これは福島県が測定している公的な数値であり、あわせて千葉や東京でも観測されている。原因として明確になっていないが、汚染された瓦礫を大量に焼却して空中にセシウムが飛散しているというのが一番の可能性が高いと指摘されている。
 いったん地上に落ちて移動していないセシウムを焼却によってさらに巻き上げて広げている危険性が問題視されている。
 今必要なのはこうした放射能拡散予報ではないのだろうか。どこにどれぐらいのセシウムが拡散しており今後の焼却がどうなるのか等、もちろんしっかりした焼却施設を建設するのが先決であるが、予報としてながすべきではないか。電力会社の都合のよい「電気予報」は流すが、都合の悪い放射能汚染拡散情報は隠そうとする報道のあり方は電力会社大本営発表と非難されてもしかたあるまい。
 必要もない電気予報など廃止して、緊急性を要する放射能拡散予報を報道すべきである。
 セシウムの飛散については武田邦彦教授が分かりやすく解説されています。
 私は原発反対です。

1 スケッチはいつもの天神からです。以前たしかこのご老人は鉛筆でスケッチしたことがあります。お元気そうでなによりです。
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2 いつものご近所さん。
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by datian | 2012-01-24 22:11 | スケッチ絵画
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